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AIのビジネス活用、OKとNGの判断基準とは?画像・動画・テキスト生成で迷わないための考え方

悩む男性

この記事でわかること
・ 生成AIを業務で使うときの、基本的な考え方
・ 迷いやすいポイントを整理するための判断の軸
・ 生成AIを安心して便利に活用していくためのスタンス

画像や動画、テキストの作成など、これまで人手で行っていた業務の一部をAIで代替できるようになってきました。

業務の中でもAIで代用できそうだと感じる場面は増えています。
ただ、会社として利用して問題がないのか、どこまでが安全な範囲なのか、といった判断に迷うケースも少なくありません。

本記事では、生成AIをビジネスで使う際に迷いにくくなるための「考え方の軸」を整理します。

目次

生成AIは「判断が必要な業務ツール」

ChatGPTやGeminiなどの生成AIは、Excelやクラウドサービスと同様に、業務効率を高めるための便利なツールの一つです。

ただし、生成AIは以下のような特徴があります。

  • 他人の権利(著作権や肖像権など)が関わる可能性がある
  • 作成したものが意図せず社外に公開・共有されることがある
  • 社内情報や機密情報を入力してしまうリスクがある

こうした特性があるため、生成AIの利用可否を一律で決めることは難しく、使う場面ごとに注意点を整理しておく必要があります。

専門的な法律知識を身に付けることも大切ですが、それ以上に重要なのは、生成AIを使う前に「どんな点に注意すべきか」を業務の中で判断できるようになることです。

ここからは、生成AIをビジネスで使う際に最低限押さえておきたい考え方を「3つの判断軸」に分けて紹介します。

生成AIを使うときの3つの判断軸

判断軸① 他人の権利が関わっていないか

生成AIを使うとき、まず意識したいのが「誰かの権利に触れていないか」という点です。
注意が必要になりやすいのは、次のようなケースです。

実在する人物(有名人・一般の人物を含む)

実在する人物を想起させるコンテンツは、肖像権やパブリシティ権といった権利が関わるため、特に注意が必要です。

有名人の顔や名前を使った画像・動画を作成したり、実在する人物にそっくりなキャラクターを生成したりするケースがこれに当たります。
また、特定の経営者や社員を連想させる音声や画像を作ることも、この範囲に含まれます。

既存の作品やキャラクター

既存の作品やキャラクターを強く想起させる生成物も、著作権や商標権の観点からトラブルにつながりやすいポイントです。

有名な映画・アニメ・ゲームに登場するキャラクターと酷似したイラストを生成したり、既存作品の構図や世界観をそのまま再現するような内容を作成したりするケースが挙げられます。

特定の作風やクリエイター名を指定した生成

特定の作家やクリエイターを明示的に指定した生成は、意図せず既存作品に近い表現になりやすく注意が必要です。
著作権や不正競争防止法が問題になる可能性があります。

「◯◯風のイラスト」「◯◯監督の作品のような映像」といった形で、特定の作家・スタジオ・ブランドを指定して生成するケースが該当します。

これらは著作権や肖像権といった権利が関係するため、トラブルにつながりやすいポイントになることを覚えておきましょう。
ですが、ここで大切なのは細かい法律判断をすることではありません。

元ネタがはっきり分かるものを、そのまま使っていないか?

この感覚を持つだけでも、リスクは大きく下げられます。

判断軸② 社外に出るものかどうか

次に考えたいのが、その生成物が「社内で利用するもの」か、それとも「社外に出るもの」どうかです。
社内資料やメモとして使う場合と、社外に公開する場合とでは、求められる慎重さは大きく異なります。

Webサイトや広告・SNS投稿などは、公開した瞬間から、誰がどのような文脈で目にするかをコントロールできなくなります。
意図とは異なる受け取られ方をする可能性もあり、その影響は企業の信用に直結します。

社内向けか、社外向けか。
一度立ち止まって考えるだけでも、判断ミスは起こりにくくなります。

判断軸③ 社内情報を入力していないか

生成AIは社内システムではなく、外部のサービスとして利用するものです。
入力した内容がどこで、どのように扱われるのかを意識しておくことが大切です。

特に気をつけたいのは、以下のような情報です。

  • 顧客情報や個人情報
  • 未発表の商品・企画内容
  • 社内限定の資料やデータ

AIに情報を入力するということは、多くの場合、社内ではなく外部のサービスで処理されることを意味します。
学習に使われないサービスや、法人向けに配慮された仕組みもありますが、社外のサービスを利用している点は共通しています。

細かい仕組みを理解する必要はありませんが、社内情報を入力する前に「外に出しても問題ないか」を一度考えるようにしておくことが大切です。

生成AI利用で起こりやすいリスクを整理する

ここまで紹介した考え方を踏まえ、生成AIのビジネス利用で起こりやすいリスクを整理しました。
一見するとどれも深刻に見えますが、「どんな場面で、何に注意すればいいか」を意識すれば、リスクの多くは事前に回避できるでしょう。

リスク起こりやすい場面主な被害主な注意点
著作権侵害画像・広告・Web制作訴訟、損害賠償作風指定・既存作品の模倣
肖像権侵害広告・SNS・採用訴訟、信用失墜実在人物・許諾の有無
フェイク問題社外公開全般社会的信用喪失誤解を招く表現・文脈
情報漏洩業務利用全般機密流出、個人情報の入力機密情報の入力

生成AIを使う前に確認しておきたいこと

生成AIの利用で迷ったときは、次のポイントを順に確認してみてください。

・商用利用が可能なツールか
・禁止されている用途はないか
・生成物の権利は誰に帰属するか
・社外公開前の確認ルールがあるか

実際に利用する際は、利用しているAIサービスの利用規約や社内ルールもあわせて、確認しながら判断することが大切です。

まとめ

生成AIは業務の中で工夫しながら使っていくことで、少しずつ自社に合った活用方法が見えてくるツールです。
判断の考え方を押さえておけば、必要以上に身構える必要はありません。

生成AIの利用で迷ったときは、「誰の権利か」「社外に出るか」「社内情報を入れていないか」の3点を確認するだけでも、大きな判断ミスは防げます。

できそうなところから取り入れながら、生成AIを業務に役立てていきましょう。

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