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なぜ検索した商品が広告に出てくるの?パーソナライズ広告の仕組みをわかりやすく解説

パーソナル広告が表示されたPC画面

この記事でわかること

・ パーソナライズ広告の仕組み
・ Cookieの役割や種類(ファーストパーティー・サードパーティー)
・ 広告の表示を減らす具体的な方法

「スマホを検索したら、別のサイトでもスマホの広告ばかり…」そんな経験ありませんか?
SNSやニュースサイトを見ていると、以前に見た商品や似た内容の広告が繰り返し表示されて、驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
これは「パーソナライズ広告」と呼ばれ、あなたの行動履歴をもとに最適な広告を選んで表示する仕組みです。

この記事では、「なぜ自分に関係ありそうな広告が表示されるのか?」という疑問をわかりやすく説明します。
あわせて広告の表示を減らす方法についてもご紹介しますので、「広告が多くてうんざり…」という方もぜひ参考にしてくださいね。

目次

なぜ「自分向けの広告」が出てくるのか?

インターネット広告は、私たちが気づかないうちに高度な技術で進化しています。
かつては多くの人に同じ内容を表示する広告が主流でしたが、現在では一人ひとりに合わせた広告がメインとなりました。

たとえば、オンラインショップでスニーカーを検索したとします。
すると別のニュースサイトや動画サイトでも、似たスニーカーや関連商品の広告が表示されることがあります。
これは単なる偶然ではなく、あなたが「スニーカーに興味がある」とインターネットが 学習 しているからです。

検索キーワードや閲覧したページなどの行動や、閲覧している時間帯、デバイスの種類などの利用状況を参考にして、『この人にはこれが合いそうだ』と判断された広告が表示されるようになってきました。
このような広告の仕組みを「パーソナライズ広告」と呼びます。

では具体的にどんな情報が使われていて、どのように広告が選ばれているのでしょうか?
次の章では、その仕組みをわかりやすく解説していきます。

検索や閲覧履歴がヒントに

私たちがインターネットで検索したり、特定のページを見たりするたびに「どんなことに興味を持っているのか?」というヒントが少しずつ蓄積されていきます。

お菓子作りのレシピをよく検索している
家具やインテリアの情報を頻繁にチェックしている
アウトドア用品のレビュー動画を視聴している

こうした行動から、「料理が好き」「部屋の模様替えを考えている」「アウトドアに関心がある」といった傾向が読み取れるわけです。

広告の仕組みは、これらの行動パターンをもとに「この人にはこんな広告が合いそう」と判断し、似たジャンルの商品やサービスを表示するように調整されています。

もちろん、これはあくまで趣味や関心の傾向をもとにしたものであり、氏名や住所などの個人情報が直接使われることはありません。

パーソナライズ広告とは?

こうして、あなたの行動や関心に合わせて内容が変わる広告のことを「パーソナライズ広告」といいます。
「パーソナライズ」とは、『その人に合わせた』という意味の言葉です。

料理系のサイトをよく見る人には、調理器具や食材の広告
ペットに関する情報をよく読む人には、ペット用品の広告
旅行サイトを訪れた人には、ホテルや航空券の広告

このように、同じページを見ていても、表示される広告は人によって異なるのが特徴です。

関心のある情報に出会いやすくなるという点では、パーソナライズ広告は便利な面もあります。
一方で、「見た内容が追いかけてくるようでちょっと気になる」と感じる方もいるかもしれません。
そうした場合でも自分に合った形で調整する方法があるので、詳しくご紹介していきます。

広告の仕組みに関わる「Cookie」って何?

広告の仕組みを理解するうえで欠かせないのが「Cookie(クッキー)」という技術です。
名前は聞いたことがあっても、実際にどんなものかよく知らない方も多いかもしれません。

最近では初めて訪れたサイトで「Cookieを利用しています」などの案内や、同意を求める画面が表示されることも増えてきました。
これはCookieを使ってどんな情報が収集されるのかを事前に伝え、ユーザー自身が許可するかどうかを選べるようにするためのものです。

では、Cookieとは具体的にどのようなものなのでしょうか?
ここではその基本的な役割と、広告に関係する2つの種類についてわかりやすく解説します。

Cookieの基本的な役割

Cookieには、Webサイトを使いやすくするための便利な役割がいくつもあります。

会員制サイトで、一度ログインすると次回以降もログイン状態が保たれる
ショッピングサイトで、カートに入れた商品がページを移動しても消えない
前回の訪問時に選んだ言語設定や表示のカスタマイズが、次回もそのまま残っている

これらはすべて、Cookieが「前回どう使われたか」を覚えてくれているからこそ実現できていることなんです。
つまり、Cookieはインターネット上の 『ちょっとした記憶』 のようなもの。
わざわざ毎回同じ操作をしなくてもよくなるので、私たちにとってはとても助かる仕組みなのです。

広告に使われるCookieの種類(ファーストパーティー/サードパーティー)

Cookieにはいくつか種類がありますが、広告の仕組みでよく使われるのは「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」という2種類です。

ファーストパーティーCookie
あなたが実際に見ているWebサイト自身が保存するCookieです。
たとえばECサイトにログインした状態を保ったり、買い物カゴの中身を覚えていたりするのがこれにあたります。
ファーストパーティーCookieは「そのサイトの中だけで使われる」情報で、そのWebサイトを快適に利用するためのものです。

サードパーティーCookie
表示されている広告など、第三者(広告会社など)が発行・取得するCookieです。
ニュースサイトやブログなどに掲載された広告を通じて、別のWebサイトでもあなたの行動パターンを把握することができます。

たとえば、あるショッピングサイトで見た商品の情報が全く別のニュースサイトで広告として表示されるのは、このサードパーティーCookieの働きによって「あなたがどこで何を見たか」が共有されているからです。

このCookieは広告の表示に便利な一方で、「見た商品がずっと表示されるのはちょっと…」と気になる人もいるかもしれません。そうしたときは、Cookieの種類や設定を見直すことで、自分に合った広告の表示に調整することが可能です。

どうやって広告が選ばれているの?

「パーソナライズ広告は、興味に合わせて表示されていること」や、「Cookieがその仕組みに関わっていること」についてご理解いただけたかと思います。
では実際に、どのようにして『今この広告を出そう』と選ばれているのか、その裏側について解説します。

「デジタルの足跡」が広告表示のヒントに

私たちはインターネット上にさまざまな「足あと」を残しています。
たとえば検索した言葉や見たページ、再生した動画、よく使う時間帯、使っているスマホやパソコンの種類などがその一例です。
これらは「デジタルフットプリント(= インターネット上の足あと)」と呼ばれ、広告の仕組みでは重要な手がかりとして活用されています。

この足あとから「最近この人は旅行に関心がありそう」「買い物の傾向が変わってきたかも」といった情報が行動の傾向として捉えられ、広告システムはその内容をもとに関心に近い広告や情報を表示する仕組みになっています。

もちろん、これも名前や住所などの個人情報を使って個人を特定するような仕組みではありません。
行動の傾向や興味の方向をふんわりと読み取るための仕組みと考えると、イメージしやすいかもしれません。

広告が表示されるまでの裏側の流れ

私たちがWebサイトを開いたその一瞬に、実は広告はとてもスピーディーに「選ばれて」表示されています。
以下のような流れです。

広告主が広告を準備

お店や企業が「こんな人にこの商品を届けたい」という広告を用意します。

どんな人に見せたいかを設定

たとえば「旅行に興味がある人」「30代男性」「最近○○を検索した人」など、対象となる条件をあらかじめ広告側で指定します。

あなたがWebサイトを開く

あなたのブラウザや端末が持っているCookieの情報や閲覧履歴が参考にされます。

条件に合った広告が選ばれる

その瞬間に「この人にはこの広告が合っていそう」と判断され、広告が表示されます。

この流れはほんの一瞬のうちに行われていて、私たちは何も意識しなくても、それぞれに合った広告を見るようになっています。

こうした仕組みがあるからこそ自分にとって興味のある情報に出会いやすくなる一方で、特定の商品や内容の広告が繰り返し表示されることが気になる方もいるでしょう。
広告がどのように選ばれて表示されているのかを知っておくと、上手に付き合っていくヒントになるかもしれません。

広告の表示を減らすには?すぐできる4つの方法

パーソナライズ広告は、私たちの関心に合わせて情報を届けてくれる便利な仕組みです。
見たい情報や役立つ商品を素早く見つけられるという点では、大きなメリットがあります。

一方で、あまり広告を表示させたくないと考える方もいるかもしれません。
そう感じたときは、“ちょうどいい距離感”を保つための対策をとることが大切です。

ここでは、特別な知識がなくても簡単にできる、広告の表示を減らす4つの方法をご紹介します。

広告ブロッカーを使う

広告そのものを見えなくする方法として、「広告ブロッカー」と呼ばれる機能を使う方法があります。
これはWebブラウザに追加することで、多くの広告を自動的に非表示にしてくれる仕組みです。

Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザで使うことができる、「AdBlock」や「uBlock Origin」などの拡張機能(アドオン)が有名です。広告ブロッカーは便利なツールですが、必要な場面だけ使う、オンとオフを切り替えるなど、バランスよく活用することがポイントです。

広告ブロッカーを使うメリット・デメリット

メリット
広告が表示されなくなるため、画面がスッキリする
間違って広告をクリックしてしまう心配が減る

デメリット
広告を収益源にしているWebサイトでは、ページが正しく表示されなくなることがある
YouTubeやニュースサイトの一部機能が制限される場合があるため、使用には注意が必要

ブラウザのシークレットモードで閲覧する

多くのブラウザに標準で備わっている「シークレットモード」や「プライベートブラウジング」と呼ばれる機能も有効です。このモードでWebサイトを閲覧すると、閲覧履歴やCookieが保存されない状態でインターネットを使うことができます。
シークレットモードは広告を一時的に減らしたいときや、他の人と端末を共有しているときに便利な機能です。

シークレットモード使うメリット・デメリット

メリット
閲覧が終わると、自動的に履歴やCookieが削除される
パーソナライズ広告が出にくくなる

デメリット
ログイン情報やカートの中身なども保存されないため、サイトによっては使いづらく感じることがある

Cookieや履歴を定期的に削除する

Webブラウザには、今までに訪れたサイトやCookieなどの情報が残っています。
これらを定期的に削除することで、広告に使われる行動情報をリセットすることができます。
ただしCookieの削除はやりすぎると逆に不便になることもあるため、使い方に合わせて調整するのがコツです。

削除のやり方(一例)
Chromeの場合:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データを削除」
Safariの場合:設定アプリ → Safari →「履歴とWebサイトデータを消去」

Cookieや履歴を削除するメリット・デメリット

メリット
古い情報が消えることで、広告がリセットされる
ブラウザの動作が軽くなることもある

デメリット
ログイン状態やカートの中身なども消えてしまうことがある

Cookieの設定を見直す

最近のWebサイトでは、初めてアクセスした際に「Cookieの利用に同意しますか?」という表示が出ることが多くなっています。このときに「すべてに同意」ではなく、「必要なCookieのみ許可する」など、自分で設定を選ぶことができます。
またブラウザの設定画面でも、広告に使われるCookie(サードパーティーCookie)をブロックする設定が可能です。

ただしCookieは決して危険なものではなく、Web利用を快適にするための仕組みでもあります。
「すべてを拒否する」よりも、自分に合った範囲でコントロールする意識が大切です。

削除のやり方(一例)
Chrome:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サードパーティーCookieをブロック」
Safari・Firefox:サードパーティーCookieは初期状態でブロックされています。

Cookieや履歴を削除するメリット・デメリット

メリット
プライバシーを守りながら広告表示を抑えられる
Webサイトの基本機能には影響しにくい

デメリット
一部のWebサービスで機能が制限されることがある

まとめ

広告の表示を減らす方法はいろいろありますが、大切なのは必要以上に不安にならず、自分の使い方に合わせて調整することです。
仕組みを知ったうえで、自分にとって心地よい広告との距離感や付き合い方を見つけていきましょう。

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