目覚ましい進化を遂げている生成AI。
仕事や生活の中で生成AIを活用されている方も多いのではないでしょうか。
ChatGPT登場以降も続々と新しい生成AIが発表されています。
選択肢が増えるのは素晴らしいことですが、どの生成AIをどのような使い方をすれば適切な回答が得られるのか、悩んでしまうこともあるかもしれません。
そんな時に利用することができる「ChatHub」という便利なサービスをご存じですか?
この記事ではChatHubについて解説をしてきます。
ChatHubとは
ChatHubとは質問(プロンプト)を複数の生成AIに一度に送信することができる、Google Chromeの拡張機能です。
ブラウザ画面上で送信された質問に対して、比較したい生成AIの回答が以下のように画面分割で表示されます。
現在ChatHubが対応しているチャットボットは以下のようになっています。
※一部、日本語対応されていないチャットボットも含まれます。
同一画面上に複数の回答が表示されるので比較検討がしやすく、さらに精度が高い回答を生成してもらうための質問も作成しやすくなります。
AIの回答スピードや内容の細かさなど、生成AIの性能自体を比較する場合にも役立つツールです。
また生成AIを利用する上での課題として、ハルシネーション(誤情報や事実に基づかない情報を提供されてしまう問題)があります。一つの生成AIのみを利用すると、ハルシネーションに陥りやすいとされています。
ChatHubで複数のチャットボットからの回答を横並びや上下の表示で一度に確認できることで、ハルシネーションを見抜きやすくなるといえるでしょう。
ハルシネーションとは
様々な虚偽の情報を学習したことにより、誤った事実を生成してしまう問題です。
ハルシネーションを減らすためには、学習データの品質向上と管理が必要になります。
生成AIからの回答をすべて鵜呑みにするのではなく、誤った情報や不正確な情報を回答することを念頭においておくことが大切です。
プランについて
無料プラン・有料プランが用意されています。
無料プラン
無料でChatHubを利用できるプランです。
プラン内で追加料金は発生せず、プレミアムライセンスと比べて限られた機能のみを利用することができます。
同一画面上で比較することのできるチャットボットの数は2つです。
プレミアムライセンス
有料の39ドルで提供されています。(2024年5月時点)
このプレミアムライセンスはサブスクリプションではなく、一度の購入でその後はずっと利用することができます。
同一画面上で比較することのできるチャットボットの数は6つです。
ChatHubは生成AIを比較をすることをメリットとして使うツールのため、プレミアムライセンスではその機能を最大限利用できることが魅力です。
始め方と使い方
ChatHubのインストール
Chromeを立ち上げて、以下のURLへアクセスします。
画面右上の「Chromeに追加」ボタンをクリックします。
『「ChatHub – オールインワンチャットボットクライアント」を追加しますか?』というポップアップウィンドウが表示されたら、『拡張機能を追加』ボタンをクリックします。
『「ChatHub – オールインワンチャットボットクライアント」がChromeに追加されました』と表示され、インストールは完了です。
基本的な使い方
早速使ってみましょう。
左メニューの「All-In-One」を選択するとチャットボットを比較できる画面が表示されます。
「All-In-One」より下の生成AI名をクリックすると、該当するもののみ表示させることができます。
無料プランは以下のような画面です。
画面下のテキストボックスに質問を入力して送信ボタンを押すことで、それぞれの生成AIに同時に質問することができます。
生成AIの火付け役であるChatGPTと、賢さがChatGPTを超えたと話題のClaude3の比較もできます。
プレミアムライセンスの画面はこちら。
無料版では2分割表示でしたが、有料版では画面が6分割されています。
(テーマの変更が可能です。無料版と判別しやすいようにDarkモードを設定しています。)
便利な機能
履歴のリセット
画面をリセットしたい場合は右上のほうきマークのアイコンをクリックします。
履歴の呼び出し
間違ってリセットしてしまった場合や過去のやりとりを参照したい場合は、履歴マークのアイコンををクリックすることで過去の履歴が確認できます。
プロンプトの登録
プロンプトライブラリという機能を利用すると、登録したプロンプトをすぐに呼び出すことができ便利です。
テキストボックス左側にある、本のマークのアイコンをクリックします。
ウインドウが表示されたら、「新しいプロンプトを作成する」をクリックします。
登録したいプロンプトに名前を付けて保存します。
登録したプロンプトはすぐに呼び出すことができます。
必要に応じて追加で登録することも可能です。
活用方法
前述したハルシネーション対策としてChatHubの利用は非常に有効でしょう。
またそれぞれの生成AIによって回答の品質も異なるため、同じ質問を複数のAIに投げかけて最もクオリティの高い回答を採用するという方法も効率的です。
AIチャットボットはある期間までの学習データをもとに回答を導き出すようにプログラムされており(カットオフ)、それ以降の情報は対象ではありません。そのため学習期間外の事象について質問をすると、明確な答えが得られないケースが度々あります。
ChatHubで利用できる生成AIはそれぞれ学習期間が異なるため、各画面を比較して情報を伴った回答が生成されたAIをピックアップし、そこから更に精度の高めるための質問を投げかけていくといった作業が可能です。
有料プランのプレミアムライセンスでは「web アクセス」が提供されています。
webアクセスとは、生成AIが自らの学習データだけに留まらずインターネットで新しい情報を検索する機能のことです。カットオフ以降のインターネット情報からも学習が可能となるため、回答精度が向上します。
カットオフとは
AIが情報を得ることができる時点または範囲を制限することを指します。
AIは大量のデータから学習しますが、そのデータには区切りの日付が設定されています。その日付以前のデータのみを学習しており、それ以降の知識がありません。更新頻度は生成AI(開発・管理している組織)によって異なります。
まとめ
本記事ではChatHubの利用方法について、ご説明しました。
ChatHubは生成AIを同一画面上で比較できるChromeの拡張ツールです。
日頃から生成AIを利用されている方はもちろん、どのツールを選んだらいいかわからないという方も、大変利用しやすいツールです。業務効率向上のため、ChatHubを活用してみてくださいね。