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『2025年の崖』とは?経済産業省のDXレポートから、2025年の崖をわかりやすく要約

「2025年の壁」という言葉をご存じでしょうか?
経済産業省は「DXレポート」の中で、2025年以降の日本経済に大きな損失をもたらすリスクについて「2025年の崖」と表現しています。このリスクを回避するためにはDX推進が必須となり、中小企業も決して例外ではありません。

具体的に「2025年の崖」とは、どういったものなのでしょうか?DXレポートの要点をまとめてお伝えしていきます。

目次

1. DXレポートとは

DXレポートは経済産業省(以下、経産省)により発表されました。

このレポートは日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性についてまとめられたものであり、2018年の初回発表以降も同種のレポートが作成され、現在は以下の3種類が存在しています。

出典:経済産業省ウェブサイト
2018年9月:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
​​2020年12月:DXレポート2(中間取りまとめ)
2021年8月:DXレポート2.1(DXレポート2追補版)

2. 2025年の崖とは

経済産業省(以下、経産省)はDXレポートの中で、遅々として進まない日本のDX推進に対して警鐘を鳴らしています。DXが進まなければ日本は世界のデジタル市場で敗者となり、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると記されています。

DXが遅れている主な原因は2つ。

ひとつはレガシーシステムの刷新が困難なこと。
もうひとつはIT人材の不足によるリソース不足です。

詳しくみていきましょう。

レガシーシステムの刷新が困難

レガシーシステムとは、導入から長期間が経過して老朽化したシステムのことを指します。
2019年時点で日本に存在する基幹系システムのうち2割が、構築から21年経過していると言われています。
これらは過去に過剰なカスタマイズがされていたり、複雑化・ブラックボックス化されていているうえ、システムに採用されている古い技術に対応できるエンジニアも少なく、時代に適した新しいシステムへの刷新が難しいという課題を抱えています。

IT人材の不足

企業のIT人材の不足は深刻な問題となっています。
デジタル技術が急速に発達する現在においてIT人材の需要はさらに拡大していくと容易に予測できる一方で、少子高齢化による労働者人口自体が減少しており、需要と供給にギャップがあります。
特にDX推進が遅れているとされる中小企業では、大企業に比べてコストなどの問題などから人材確保が難しく、その貴重なIT人材も既存システムの維持・保守にリソースを割かれるで新しい技術を取り入れにくいといった状況があるようです。

3. 2025年の崖による影響

これらの問題を解決できず、レガシーシステムを抱えたまま2025年を迎えることになった場合、どのような状況が引き起こされるのでしょうか。
DXレポートでは「放置シナリオ」として、ユーザ・ベンダーまた全体へのリスクがあると記されています。

ユーザへの影響

爆発的に増加するデータを活用しきれず、デジタル競争の敗者に
多くの技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・継承が困難に
サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失・流出等のリスクの高まり

べンダーへの影響

技術的負債の保守・運用にリソースを割かざるを得ず、最先端のデジタル技術を担う人材を確保できない
レガシーシステムサポートに伴う人月商売の受託型業務から脱却できない
クラウドベースのサービス開発・提供という世界の主戦場を攻めあぐねる状態に

全体への影響

基幹系システム21 年以上が2割から6割へ増
システムの維持管理費がIT予算の9割まで高騰
IT人材不足約43万人まで拡大
古いプログラミング言語を知る人材の供給不可

4. DX実現シナリオと施策

まずは複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムの仕分けを行うことが重要です。
システムを精査して廃棄・塩漬け・刷新の判断をし、刷新の対象となったものからDXを進めていきましょう。

ブラックボックス状態を解消することで、レガシーシステム上のデータを活用できるようになり、本格的なDXを実現できます。
またDX推進においては、 IT人材の採用・育成と社内のDX推進も非常に重要な課題となります。

IT人材の採用・育成

IT人材の積極採用をおこないます。
また企業内のあらゆる事業部門でデジタル技術を活用することで、各事業のデジタル化を実現できる人材を育成し、社内へのDXの必要性を浸透させます。
社内や事業部門のリソースに制限がある場合では、アウトソーシングや外部での人材確保も検討してみましょう。

社内のDX浸透

既存システムの刷新を伴うDXを推進するためには、社内の理解が必要不可欠です。
DXについての理解の浸透がおざなりのままDXを進めてしまうと、経営陣と現場の意識に乖離が発生してしまう可能性があります。
またその逆に、現場ではDXの必要性を感じていながらも経営者の理解を得られないといったケースも考えられます。IT投資は経営と直結するためスピーディーな着手が難しかったり、他の課題と比較され優先度が低いと捉えられることも多いようです。
まずは会社としてDXを推進していくという意識を浸透させていきましょう。

まとめ

2025年の崖はすぐそこに迫っています。
DXは短期的に解決できる課題ではないため、長期的な計画が必要となります。もしDXについての課題がある企業はすぐに取り組むことをおすすめします。
どこから手を付けていいかわからない、課題が多すぎて人手不足、そんな悩みをお持ちの方はアウトソースやコンサルティングを検討してみましょう。

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