この記事でわかること
・ AIでスマホアプリを作れる「Rork」の仕組みと機能
・ iOS・Androidで即座に動作確認できる「Expo Go」の活用法
・ 実際の導入手順と、無料版を利用する際の注意点
独自のスマホアプリを開発したくても、専用のソフトを入れたりプログラミングを学んだりする手間を考慮して、断念してしまうケースは少なくありません。
Rork(ロルク)はWebブラウザ上でAIに日本語で指示を出すだけで、本格的なスマホアプリを自動で作ってくれる画期的なサービスです。
難しい専門知識や、アプリ開発専用のソフトをパソコンに入れる手間は一切なく、あっという間に手元のスマホで動くアプリが完成します。
本記事では、そんな注目ツール「Rork」の機能や料金体系、効率的に開発を進めるためのコツから、導入手順までを詳しく解説します。
※掲載している情報は2026年4月時点のものです。
Rork(ロルク)とは
Rorkはチャットのやりとりでスマホアプリを作ってくれるAIサービスです。
日本語や英語で作りたいアプリについて指示を出すと、AIが自動的にプログラムを生成し、その場で動くアプリを組み上げてくれます。
最近はAIがウェブサイトを作ってくれるツールが流行っていますが、Rorkはその「スマホアプリ版」だと考えると分かりやすいでしょう。
最大の特徴は、開発用の難しいソフトをパソコンに入れることなく、AIとチャットするだけで本格的なスマホアプリが作れる点です。
プログラミングの知識がなくても操作できるため、ITエンジニアがいない企業でも自社でのアプリ内製化を実現できます。
4つのプラットフォームの選択
Rorkでアプリを作り始める際、最初のステップとして「どの環境(OSやデバイス)で動かすアプリを作るのか」を以下の4つのプラットフォームから選択します。
この選択によって、裏側で使われるプログラミング言語や、完成後のテスト・公開方法が大きく変わるため、目的に合ったものを選ぶことが大切なポイントです。
iPhone用(Rork Max)
Appleが公式に推奨するプログラミング言語「Swift」を用いて、非常に高品質なiPhone・iPad・Apple Watchなどの専用ネイティブアプリを作成するモードです。
カメラの高度な制御やヘルスケアデータの取得、AR機能など、Apple製デバイスならではの独自機能にフルアクセスできるのが最大の強み。
ただし、このモードで作成したアプリはAndroid端末では動作しないため、ターゲットユーザーがApple製品のユーザーに限定される点には注意が必要です。
Android向け
Googleが推奨する環境で、Android専用のネイティブアプリを作成するモードです。
将来的にGoogle Playストアでの公開を目指す場合や、Android端末特有の機能を利用したい場合に適しています。
こちらもiPhone用と同様にプラットフォームが限定されるため、iOSユーザーをカバーすることはできません。
ウェブ向け
スマホのホーム画面にインストールするアプリではなく、SafariやChromeといったブラウザ上で動く「Webアプリ」を作成するモードです。
アプリストアの審査を通す必要がなく、URLを共有するだけですぐに誰でも使えるというメリットがあります。
ただし、本格的なスマホアプリを作りたいという本来の目的からは少し外れる選択肢となります。
エキスポ
一度の指示でiPhoneとAndroidの両方で動くクロスプラットフォームアプリを作成できるモードです。
裏側ではReact Nativeという広く使われている技術が採用されています。
開発環境の構築が一切不要で、「Expo Go」という無料アプリを使ってQRコードを読み取るだけで、即座に自分のスマホで動作確認ができるのが最大の特徴です。
小規模アプリの内製化において、初期段階の検証や社内テストを目的とするならば、実機での動作確認が最も手軽なこの「エキスポ」を選択してプロトタイプ(試作品)を作るのがお勧めです。
主な機能
Rorkの最大の特徴は、AIによるアプリ自動生成です。
テキストで「こんな機能が欲しい」と指示するだけで、AIが裏側で自動的にプログラムを組み立ててくれます。
生成されたアプリは、ブラウザ上に表示される「仮想スマホ画面」でリアルタイムプレビューができるため、直したい箇所もすぐに見つかります。
もし修正したい部分があれば、該当箇所を修正して欲しいとチャットで追加指示を出すだけ。
何度でも反復修正を行ってくれます。
またプラットフォームでエキスポを選択すると、画面に表示されたQRコードを読み取るだけで、手元のスマホで即座に実機確認ができる機能も備わっています。
さらに高度なアプリを作りたい場合は、チャットや画像生成などのアプリ内AI機能を組み込むことも可能です。
ただし、これらのAI機能を利用するためには別途専用のチケットを購入する必要があります。
アプリが完成した後は、有料プランであればApp Storeへの公開申請までRorkの画面上から一貫して対応することができます。
App Storeへの申請にはApple側の開発者アカウント登録が必須なので、事前に登録をしておきましょう。
ここまでの機能を図で整理しておきます。

料金プラン
Rorkの最新の料金プランは以下の3つに分かれています。用途や必要な開発規模に合わせて選択できます。

Free:まずは無料でRorkの使い勝手やプロトタイプ作成を試したい方向け。
Rork Pro:本格的なアプリ開発を行いたい個人やスモールチーム向け。
Rork Max:iOS/Appleプラットフォーム特化の高品質なネイティブアプリ(Swift)を作成するプロフェッショナル向け。
※ App Storeへの公開には、Rorkの有料プランとは別にApple Developer Account(有料)の登録が必要です。
中小企業での活用シーン
Rorkの柔軟なカスタマイズ性能を活かせば、アイデア次第で様々な業務改善に繋げることができます。
ここでは中小企業の現場で実際にありそうな課題を想定し、「こんなアプリがあれば便利かも?」という活用シーンのアイデアをいくつかご紹介します。
社員教育・研修管理
AI用語や社内ルールをカテゴリ別に学習できる研修アプリに、理解度テストや進捗管理機能を一体化させるアイデアです。
管理者が全社員の学習状況を一元管理できる仕組みを、自社仕様に合わせて低コストで構築できるかもしれません。
日報・作業報告
これまで紙やLINEで行っていた日々の報告を、専用アプリに集約して効率化する案です。
入力項目を自由にカスタマイズすることで、未提出者の把握やデータの蓄積・分析がより正確かつスムーズに行える環境が期待できます。
シフト・勤怠確認
スタッフが手元のスマホからいつでもシフトの確認や休暇申請を行える、シンプルな専用アプリです。
本格的なシステムを導入する前の段階として、まずは現場の使い勝手を検証するために短期間でプロトタイプを用意する、といった使い方も有効です。
営業・商談サポート
商談先でのヒアリングメモ、簡易的な見積もり計算、案件の進捗管理などを一つの画面に集約した営業サポートツールです。
自社が必要な最小限の機能だけに絞り込むことで、営業担当者の入力負荷を減らし、活動の生産性を無理なく高められるはずです。
導入手順とアプリの作成方法
Rork導入のステップから、実際に「AI研修アプリ」のプロトタイプを構築してみた手順をご紹介します。
Rorkの導入
Rorkの導入はとてもシンプルです。
専用のソフトウェアなどをパソコンにインストールする必要はなく、ブラウザからログインするだけですぐに開発画面を開くことができます。
まずはRorkの公式サイト(https://rork.com/ja)にアクセスし、「サインイン」のリンクからアカウント登録をします。

サインイン方法は、Googleアカウントを利用するか、Appleアカウントを利用するかの2種類です。
どちらか使いやすい方を選びましょう。

次の画面でいくつかRorkの利用に関するアンケートが表示されます。
アンケートの回答が完了したら、Rorkを使い始めることができます。
アプリを構築する
ここからは実際にアプリを作成していきます。
ステップ1:事前設計を行う
まずは制作したいアプリの設計をしていきましょう。
Rorkは月間のメッセージ数に上限があります。
特に無料プランからスタートする場合は、Rork上でゼロから試行錯誤を繰り返すと、すぐに上限に達してしまいます。
事前に生成AIなど別のAIツールで要件・機能・画面構成を整理してから、まとめてRorkに指示を入力する方法が効率的でおすすめです。
今回はClaudeと相談して出力してもらった以下の内容を、実際にRorkでアプリ化してもらいます。
アプリ概要
名称: AI DOJO(AI道場)
目的:中小企業の社員が「AIを業務で使える状態」になるまで導く社内研修アプリ
ターゲット:中小企業の経営者・人事担当者(導入する側)/一般社員(使う側)
解決する課題
社員のAIリテラシーがバラバラ → カテゴリ別に体系的に学習
外部研修はコストが高い → 自社内で繰り返し学べる
研修をやっても定着しない → テスト+進捗管理で習熟度を可視化
誰がどこまで学んだかわからない → 管理者画面で全社員の状況を一元管理
メイン機能(コア部分)
【一般社員向け機能】
① カテゴリ別学習
・AI関連の知識をカテゴリで分類
・各カテゴリに「用語解説」と「理解度テスト」がセット
例:生成AI基礎/プロンプトの書き方/業務活用/AI倫理
② AI検索
・わからない用語をチャット形式でAIに質問
・用語集にない疑問もその場で解決
③ マイページ
・自分の進捗・取得バッジを確認
【管理者モード】
④ 社員別の進捗管理
・全社員の学習状況を一覧表示
・カテゴリ別の完了率を%で可視化
・未着手者をフィルタリング
⑤ ランキング
・個人・部署別のスコアランキング
・学習意欲の継続を促す仕掛け
⑥ 修了証発行
・全カテゴリ完了者に認定証を発行
・社内のAI人材を「見える化」
画面構成
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│ ホーム │
│ (今日の学習・進捗) │
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カテゴリ学習 AI検索 マイページ 管理者画面
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用語解説 ▼ ▼ ▼
↓ 進捗管理 ランキング 修了証
理解度テスト
ステップ2:プラットフォームを選択する
まずは、どのプラットフォームでアプリを作るかの選択をします。
中央のチャット画面左下の選択項目を開きます。
今回はExpo Goを使って手元のスマホで簡単に動作テストができるようにしたいので、「エキスポ」を選択します。

ステップ3:設計書をRorkに入力してアプリを生成する
ステップ1でClaudeと作成した設計書を、そのままチャット欄に貼り付けて送信します。
すぐにAIが自動的にアプリのプログラムを作り上げ、「インストール中」のステータス表示から数分で確認画面が立ち上がります。

ステップ4:Expo Goをインストール
実機テストを行うための準備として、お手持ちのスマートフォンに「Expo Go」という無料アプリ(iOS・Android対応)をインストールしておきます。
通常、自作アプリをスマホで動かすには、開発ソフトのインストールや複雑な初期設定が必要です。
Expo Goを使えば、Rorkの画面に表示されたQRコードをスマホのカメラで読み取るだけで、瞬時に手元のスマホでアプリが起動します。
ステップ5:QRコードを読み取って実機で動作確認する
Expo Goの準備ができたら、Rorkの画面上に表示されているQRコードをスマホの標準カメラで読み取ります。
すると自動的にExpo Goが立ち上がり、先ほどブラウザで見ていたアプリが自分のスマホ上で実際に動くことを確認できます。
実際にできあがってきた画面をお見せします。
一瞬でできたとは思えないクオリティになっているのでないでしょうか。
表示されているデータ部分も、Rorkが自動で考えてくれています。





無料プランでのテスト結果
今回のテスト検証において、無料プランで実現できたのは「見た目(モック)」の部分まででした。
無料プランは月35クレジット・1日5クレジットが上限のため、エラーの修正や機能追加を繰り返すと、あっという間に上限に達してしまいます。
「まずどんなUIができるか試す」という目的には十分ですが、実際に業務で使えるレベルまで作り込むには、有料プランへのアップグレードが必要になりそうです。
導入前に知っておくべき注意点
無料プランには上限がある
無料プランではAIとのやりとりが月35クレジット(1日5クレジット)に制限されています。
アプリの生成・修正それぞれがメッセージ数を消費するため、何度もエラーを修正したり機能を追加していくような作業は難しいでしょう。
本格的なアプリの作り込みには有料プランの検討しましょう。
アプリ内のAI機能は別途課金が必要
作成したアプリの中にAIとのチャットやAIによる画像生成など、実際にAIを動かす機能を組み込む場合、Rorkのプラン料金とは別に専用チケット(クラウドクレジット)のチャージ購入が必要になります。
アカウント作成時にはテスト用として初期残高$1分が付与されるため、動作確認程度であればすぐに行えますが、このクレジットは利用回数に応じて消費されていきます。
「自社アプリの中でAIをガンガン使わせたい」と考えている場合は、月額固定費だけでなく、使った分だけかかる従量課金コスト(クレジット代)もあらかじめ予算として見込んでおく必要があります。
Rork MaxはAndroidには非対応
「Rork Max」はRorkとは別ラインのiOSネイティブアプリ専用サービスで、Apple公式言語「Swift」で動作します。
そのためAndroid向けアプリの作成はできず、対象ユーザーはApple製品のユーザーに限定されます。
iOSとAndroid両方に対応したアプリが必要な場合は、Rork Maxではなく「エキスポ」環境を選択してください。一度の指示で両OS対応のアプリを作成できます。
複雑な裏側の仕組みは別途対応が必要
Rorkは画面のレイアウトや画面遷移など、「まずはアプリの目に見える形を作って試す(プロトタイプ)」ことを非常に得意としています。
入力された顧客データを安全なクラウドデータベースに保存したり、複雑なログイン認証を組み込んだり、自社で既に使っている業務システムと連携させるといった裏側の仕組み(バックエンド)の構築までAIだけで完璧に仕上げるのは、現時点ではハードルがあります。
まずはRorkで試作品を作って現場の要望を固め、本格的なシステム連携が必要になった段階でプロのエンジニアに引き継ぐ(あるいは相談する)といった、役割分担を前提とした使い方も検討が必要です。
QRコードの外部共有にはリスクがある点に注意
無料版Rorkで作成したアプリのQRコードを、記事やSNSなどで不特定多数に共有することは、以下の理由からおすすめしません。
- 無料プロジェクトは有効期限があり、いつ消えるか分からない
- 読み込む側のExpo Goとバージョンが合わずエラーになる可能性がある
- あくまでモック(プロトタイプ)であるため、「動かない」という誤解を与えかねない
完成したアプリのイメージを伝える場合は、画面のスクリーンショットや、操作中の画面録画(GIF動画など)の共有がおすすめです。
成果のプロセス共有だけでも、十分にインパクトがあるでしょう。
まとめ
Rorkは、これまでエンジニアや高額な外注費なしには実現が難しかった「自社専用スマホアプリの内製化」を、AIへのテキスト指示だけで可能にする注目のサービスです。
特に中小企業にとっては、社員研修・日報管理・シフト確認など、業務に直結するシンプルなアプリを低コストで作成できる点が大きなメリットとなります。
無料プランでも基本的なアプリ生成と動作確認が可能なため、まずはお試し利用から始めてみることをおすすめします。
本格活用には有料プランへの移行と、アプリ内AI機能を使う場合のクラウドクレジット管理が必要になる点も念頭に置きながら、自社の業務課題に合った活用方法を検討してみてください。
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